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【古賀市 40代女性】再発したパニック症と不安感…新幹線に乗って実家に帰省するまでの鍼灸施術記録

【患者様のお悩み】新幹線に乗って実家に帰りたい…手術をきっかけに再発したパニックと終わりのない不安


H・Kさん(47歳・女性・古賀市在住)

「またあの発作が起きたらどうしよう…」

H.Kさんが当院を訪れたきっかけは、10年前に一度は落ち着いていたパニック症の再発でした。

7月に婦人科系の手術を受けた際、高血圧を指摘され降圧剤を服用したところ、その3日後に過呼吸を起こし救急搬送。そこから、めまい、激しい頭痛、吐き気といった身体の不調が一気に押し寄せました。


「新幹線や高速バスなど、逃げられない空間が怖い」


以前は克服しかけていた乗り物への恐怖が、今回の体調不良をきっかけにフラッシュバックしてしまったのです。

「大阪の実家に新幹線で帰りたい。旅行にも行きたい」

そう願う一方で、動悸や予期不安に襲われ、身体は鉛のように重く、気分の落ち込みも激しくなっていました。

日常生活では、ご家族に対するイライラを抑え込み、言いたいことを飲み込んでしまう性格も重荷になっていました。眠れない夜はお酒に頼り、なんとか一日をやり過ごす日々。

「病院や薬だけでは、根本的な不安が消えない気がする」

そんな思いで、H.Kさんは当院の扉を叩かれました。


【鍼灸師の見立て】「言いたいことを飲み込む」我慢が、身体の緊張とパニックの引き金に


H.Kさんのお体を東洋医学と現代医学の両面から拝見しました。

まず、お体の状態を脈診(脈を見る検査)や腹診(お腹の硬さを見る検査)で確認したところ、全身の筋肉、特に首や肩、背中が非常に強く緊張していることが分かりました。

東洋医学では、H.Kさんのように「言いたいことを我慢して飲み込む」「常に気を遣っている」という状態が続くと、気がスムーズに巡らなくなり、身体の内側に熱や圧力がこもってしまうと考えます。

今回のパニック発作やめまいの再発は、手術や新しいお薬といった「身体への急激な変化」がきっかけでしたが、その背景には、長年積み重ねてきた「我慢による自律神経の張り詰め」があったようです。

コップの水が溢れるように、手術を機に自律神経のバランスを保つ力が限界を超え、不安感や動悸としてあふれ出してしまった状態です。

また、胃腸の働きも不安定になっており、緊張するとお腹を下しやすい傾向が見られます。これは、緊張を強いられる場面でエネルギーを過剰に消耗しているサインです。

■今後の施術計画

まずは「高ぶった神経を鎮める」ことを最優先にします。

0.12mmという髪の毛ほどの極めて細い鍼と、温かいお灸を使い、カチコチになった心と体の緊張を優しくほどいていきます。

初期(1週間に1回ペース):

まずは過敏になっている自律神経を落ち着かせ、パニック発作や予期不安の頻度を減らすことを目指します。

中期~後期(2週間に1回ペース):

症状が落ち着いてきたら、胃腸の働きを整え、ストレスを受けても揺らぎにくい、芯のある体力作りを行います。

焦らず、まずは「安心して呼吸ができる体」を取り戻していきましょう。

【施術の経過】一進一退を乗り越えて。栄養面からのアプローチで見えた希望

 

■施術開始~2ヶ月目:不安の波との戦いと、小さな挑戦

当初は、強い不安感やめまい、動悸が頻繁にあり、心身ともに疲れ切った状態でした。施術では、まず高ぶった神経を鎮めることを徹底しました。

調子が良い日もあれば、天候や気圧の変化でめまいが出る日もあり、一進一退の期間でした。しかし、施術を重ねる中で「発作が起きそうになっても、自分で落ち着かせることができる感覚」が少しずつ芽生えてきました。

■3ヶ月目~5ヶ月目:念願の「大阪帰省」へ挑戦

 

「大阪の実家に帰りたい」という目標に向け、まずは車での移動に挑戦されました。

途中、高速道路やホテルでパニック発作のような恐怖感に襲われる場面もありましたが、ご主人のサポートもあり、なんとか乗り越えることができました。

「逃げ出したい」と感じる恐怖はありましたが、それでも行動できたことは大きな自信になりました。12月には、ご主人なしでお一人で当院へ来院できるまでに回復されました。

■6ヶ月目~現在:新たな原因の発見と、安定への道

冬から春にかけて順調でしたが、3月頃に生理の周期と重なって不安感が強まる時期がありました。

単なるメンタルの波ではなく「身体の栄養状態」も疑い、病院での検査をお勧めしたところ、フェリチン(貯蔵鉄)の数値が下がっていることが判明しました。

「貧血隠れ」が不安感や動悸を悪化させていたのです。

そこで、鍼灸での自律神経調整に加え、鉄分を補うための栄養アドバイスも行いました。

現在は、適切なサプリメントと定期的な施術の併用により、当初10あった不安や不調のレベルが5程度まで軽減しています。

めまいは時々あるものの、以前のようなパニックに飲み込まれることはなくなり、日々の生活を穏やかに過ごされています。

 

【古賀市 40代女性】再発したパニック症と不安感…新幹線に乗って実家に帰省するまでの鍼灸施術記録

H.K様(47歳・女性・古賀市)

あの日、薬の副作用から過呼吸になり、そこから坂道を転げ落ちるように体調が悪化しました。「また発作が起きたらどうしよう」という恐怖で、大好きだった旅行どころか、近くのスーパーに行くことさえ怖くなっていました。

綿貫先生のところへ初めて伺った日、まとまらない私の話を時間をかけてじっくり聞いてくださったことを覚えています。「辛かったですね」と受け止めてもらえただけで、張り詰めていた糸がふっと緩むような感覚がしました。

施術は全く痛くなく、むしろ心地よくて眠ってしまうほどです。

驚いたのは、「不安感が強いのは、メンタルの問題だけじゃなく、鉄分不足も関係しているかもしれませんよ」と教えていただいたことです。ずっと「私が弱いからだ」「我慢が足りないからだ」と自分を責めていたので、その言葉には本当に救われました。

おかげさまで、今は少しずつ車での遠出もできるようになり、目標だった大阪の実家への帰省も叶いました。まだ波はありますが、「調子が悪くなっても、先生のところに行けば大丈夫」という安心感があるから、以前のように怖がることはなくなりました。

これからも心と体のメンテナンスをお願いしたいと思います。

※このご感想はあくまで患者様個人のご感想であり、鍼灸施術の効果を保証するものではありません。

 

鍼灸師より一言】


もう、ご自身の性格を責めなくて大丈夫ですよ。体が変われば、心も必ず上を向きます。

H.Kさん、まずはご自身の目標だった「大阪への帰省」、本当に良く頑張られましたね。

来院当初は、お薬による急激な体調変化と、再発したパニックへの恐怖で、出口のないトンネルにおられるような状態でしたね。

これまでずっと、周りの方に気を遣い、言いたいことを飲み込んで我慢されてきたH.Kさん。その優しさと我慢強さが、知らず知らずのうちにお体を硬く緊張させてしまっていたのです。

また、今回は東洋医学的なアプローチだけでなく、検査数値から「鉄分不足(隠れ貧血)」を見つけ出せたことも大きな転換点でした。

不安やドキドキは、あなたの心が弱いからではありません。単に、心を安定させるための栄養が少し足りていなかっただけなのです。

「体と心は、一つです。」

体が栄養で満たされ、緊張から解放されれば、心は自然と本来の強さを取り戻します。

これからも、H.Kさんが行きたい場所へ自由に行き、心から笑って過ごせる未来を、一緒に守っていきましょう。

鍼灸師・綿貫雄二

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