不妊鍼灸を併用して人工授精に成功した症例 35歳女性
「人工授精1回目で妊娠に至った症例。3か月の鍼灸治療と冷え性改善によってもたらされた患者様の笑顔が忘れられません。」
患者様のお悩み
不妊に関して。 ご結婚後、挙児を希望されるもなかなか授からないため、福岡市中央区のCレディースクリニックを受診され、不妊治療(タイミング法)を開始。 Cレディースクリニックでのご高診により、不妊に至る大きな原因は見つからず。
めまいについて。
先月旅行に出かけ家に帰ってきてから急にめまいがおこるようになった。 めまいはフワフワとしためまいで、グルグルと回転することはない。 耳鼻科を受診したが特に原因は見つからず、薬を飲み続けているが、大きな改善がみられない。
その他。
6月に仕事を変わり、肩こり、背中のこり、 目の疲れ、腰痛、便秘などを感じている。
鍼灸治療
◇1回目<2017.7.14>
まずは今一番お辛い思いをしておられるめまいの改善を最優先とし、症状が改善したのち、冷え性や不妊の治療を行っていくという治療方針で患者様と相談させていただきました。
お身体をみさせていただくと、首~肩~背中~腰にかけて筋肉のコリが強くなって現れておりました。さらに首は左の方が強く、肩や背中は右のほうが強く、腰は左の方が強く、とてもアンバランスな状態であることがわかりました。それとともに、自律神経の乱れ、交感神経の過緊張が強く現れておられました。
よって、自律神経を整え、首~肩~背中~腰の緊張をほぐし、左右のバランスを整えていくことを第一義とし、めまいの治療を行いました。 まず自律神経を整えるために、足首にあるツボ2か所、鎖骨の下にあるツボに鍼を刺し10分ほど留置します。
刺さっている間、鍼の痛みなどは全くありません。 今度はうつ伏せに寝ていただき、首から腰にかけて左右のバランスを整えながら筋肉をほぐしていきます。 この鍼は刺してクルクルと少し回して抜くを繰り返しながら全体を整えていきます。
この間、背中に遠赤外線の電気光線を照射していますので、患者様はポカポカとした状態の中で筋肉がほぐれていくのを実感されておられました。 再度、仰向けになり、首の付け根や手首にあるめまいに著効するツボに鍼を刺し治療終了です。
◇2回目<2017.7.20>
前回治療後、多少改善したものの依然めまいは続いておられるとのことで、前回に引き続き同じ治療を行いました。
◇3回目<2017.7.26>
前回治療後、大きな変化は見られなかったとのことでしたので、再度どういうときにめまいがよく起こるのかを再度問診させていただきました。
それによると、朝歯磨きをしているときによくめまいが起こること、仕事中に手を高く挙げる動作の時にめまいが起こることがあることがわかりました。
そのことにより、鎖骨下動脈への影響、胸郭出口症候群によるめまいを疑い、前回までの治療に加え、鎖骨周辺のツボへの鍼を加えてみました。
この日はいつも以上の笑顔でご来院され「前回の鍼灸治療の次の日から、めまいが起きなくなりました!」との報告をいただきました。
めまいのぶり返しなど確認されなかったため、本日より不妊鍼灸を開始することとなりました。 不妊鍼灸は妊娠しやすいお身体づくりを目指すため、冷えの改善、子宮や卵巣の機能を高めるために骨盤内腔の血流量を増やすことを目的におこなっていきます。
具体的には、足首や手首、お腹、骨盤にあるツボに鍼を刺します。それぞれ10~15分程度鍼を留置します。 鍼を受けられたことがある方でしたらお判りでしょうが、それだけでお身体がポカポカと温かくなっていきます。
不妊専門クリニックにおいて、タイミング法から人工授精にステップアップされ、1クールは排卵が確認されず見送り、2クールは卵胞が4つのため見送りとなりましたが、その間も地道に週に1度のペースで鍼灸治療でお身体づくりに励んでおられました。
人工授精の処置後、ご来院され鍼灸治療を行いました。 それから数週間後、「妊娠反応」「胎嚢確認」「心拍確認」とうれしいご報告をいただきました。
妊娠12週目までは不妊鍼灸の効果が認められているため、10日に1回のペースで鍼灸治療を行っていきました。 そして、妊娠12周目を無事に迎えられ、不妊鍼灸をご卒業となりました。
その後、つわりや足のむくみなどで不定期に鍼灸治療を継続中です。
患者様のお喜びの声
3か月間の不妊鍼灸治療のおかげで人工授精1回目で妊娠!冷えの解消と生理周期に合わせた鍼で無事安定期に入り、7月の予定日を待つばかりです 福岡市在住 35歳 女性 事務職
来院したきっかかは目まいで、マッサージや病院に行っても治らずネットで鍼灸を探していたところ、あんどむさんを見つけ、いろんな方の感想を読ませていただき、不妊治療もしていたので、来院させていただきました。
治療内容はめまい、冷え性、不妊でお願いし、1番症状がひどいめまいから治療していくことに。 こういう事をしている時に症状が出ると伝えたところ背中の左右のバランスがずれているとの事で左右対象に戻してもらったところ全くめまいが出ず1ヵ月でめまいの治療終了。
次に冷えと不妊の鍼が始まり、私の場合、冷えがまだらに冷えているという事でその改善と生理周期に合わせた鍼治療を行っていき、不妊の病院ではタイミング法をしていたがなかなか授からず。
人工受精にステップアップしようと決めたが、排卵が1度目はできず、2度目は卵胞が4つでき見送り、3度目で人工受精ができ人工受精1回目で授かる事ができました。 不妊の鍼を始めて3ヶ月で妊娠する事ができ、本当に先生には感謝しています。
妊娠12週目までは鍼の効果があるという事でお世話になり、無事に安定期にも入り7月の出産予定を待つばかりです。 ありがとうございました。
最後に
不妊治療は時間的制約、経済的負担、心理的ストレスをとても強く感じる治療です。先の見えない不安の中で、それでも皆さま一心に夢を叶えるために頑張っておられます。
そんな強いストレスの中、今回の患者様はいつも笑顔でそして真面目に通院されておられました。その思いになんとか力になりたい、そう思いながら鍼灸治療にあたっておりました。
途中何度か人工授精が見送りになり少し沈んでおられた患者様に、いかに寄り添っていけばよいのかを考えていました。 鍼灸師として何度経験しても満点を取れる寄り添い方はなかなかできません。それでも熱くならず冷静にただひたすらに鍼を打ちます。
「妊娠しました!」という患者様のキラキラ輝いた笑顔は鍼灸師の一番の宝物です。 これから7月のご出産、その後の体調管理まで微力ながら応援をしていきたいと思っております。
鍼灸師 綿貫雄二
※この症例は鍼灸治療が著効を奏した一症例であり、その効果を保証するものではありません。