院長ブログ

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更年期の不安感・動悸・だるさに悩んだ50代女性への鍼灸症例

患者様のお悩み



T・Mさん(50歳・女性)は、福岡市東区にお住まいで、病院の医療事務として日々多忙な業務をこなされています。もともとお仕事柄、患者さんと接する機会も多く、気を張って頑張りすぎてしまうご性格のようです。

T・Mさんが当院にご相談くださった一番の理由は、「更年期症状による喉の違和感と動悸、不安感、身体のだるさなどが日常生活に支障をきたすほどになり、心も身体も限界に近い」と感じられたからでした。

実際のお悩みは多岐にわたり、以下のような症状を訴えられました:

* 夜眠れず、2~3時間で目が覚めてしまう
* 胸がザワザワして、不安感が強まる
* 喉に詰まったような違和感、息苦しさ
* 動悸やふいに込み上げる涙、情緒不安定
* 食欲不振、胃のむかつき、ゲップ、下痢
* 頭痛、肩こり、腰の痛み、足のだるさ
* 上半身が火照る一方で、足は冷たく感じる(上熱下寒)

ご本人は「更年期によるホルモンの乱れとわかっていても、どう対処していいかわからない。薬に頼りきりたくないけれど、何をしても良くならない」とおっしゃっていました。ときには「仕事に戻れるのか不安」「生きているのがしんどい」とまで感じるようになっていたそうです。

これまで、心療内科や内科などの医療機関を受診され、抗うつ剤や睡眠導入剤などを処方されてきましたが、副作用や効き目の不安定さから、鍼灸という自然なアプローチに望みをかけてご来院いただきました。

T・Mさんの願いは、薬に頼りすぎずに「自分の力で良くなっていく」こと。再び仕事に向かえるエネルギーを取り戻し、家族との時間や好きなことを楽しめる余裕を取り戻したいというお気持ちを強く持たれていました。


鍼灸師の見立て



T・Mさんのお身体と心の状態を丁寧に診させていただいたところ、いくつかの大きな特徴が見えてきました。

まず、体の表面には熱がこもりやすく(ほてりや寝汗、胸のゾワゾワ感など)、一方で足元は冷えており、体の中でも「上半身と下半身のアンバランス」が顕著でした。東洋医学ではこれを「上熱下寒(じょうねつげかん)」と呼びます。熱がうまく下に降りず、頭や胸にこもってしまうことで、動悸や喉の違和感、不安感につながると考えられます。

さらに、お腹の力が弱く、脈は細くて沈みがち。これは、エネルギーの中心である「脾胃(消化系)」と「腎(ホルモンバランスや生命力に関わる部位)」の働きが弱っていることを示しています。結果として、気や血の巡りが滞り、自律神経が不安定な状態になっていました。

精神面では、環境の変化や家族の出来事によるストレスが蓄積し、心のエネルギー(「心神(しんしん)」と呼ばれる東洋医学的な概念)が休まらず、過度に敏感になっている状態でした。

以上をふまえ、T・Mさんには以下のような施術方針を立てました:

1. 全身のバランスを整えるため、まずは「体の力を取り戻すこと(補う)」を重視
2. 特に下半身(腎や脾胃)を中心に補いながら、上半身の熱を下に降ろしていく
3. 自律神経を整えるために、背中や手足のツボも積極的に使用
4. 心の緊張を緩めるため、リラックス作用のある頭部や腹部のツボも併用

施術ペースは、初期は週1回を3〜4回、その後は体調の安定に応じて2週間に1回へ移行。
期間としては、まずは2〜3ヶ月を一区切りに、体と心の安定を目指す方針としました。


施術の経過



初回の施術では、まずは緊張をほぐし、安心していただくことを重視しました。ベッドに横になっていただくと、思わず涙が出てきたT・Mさん。「こんなに自分のことを丁寧に聞いてもらえたのは初めて」とおっしゃっていたのが印象的でした。

初回は、のぼせや喉の詰まり、不安感が少しでも緩和されるように、頭や胸周辺の熱を下げるツボに加えて、体の軸となるお腹や足元のツボを用いました。

2〜4回目(週1回ペース)
施術後には「喉のつまりが少し軽くなった気がする」「久しぶりに夜通し眠れた」といったお声をいただくようになりました。一進一退はありましたが、少しずつ体の内側が整い始めたサインが見られ、食欲や気力もわずかに戻ってきました。

5〜8回目
自律神経の働きが徐々に安定してきたのか、動悸の頻度が減り、朝の不安感がやわらいでいきました。また、寝汗の量が減り、熟睡感も出てきました。「まだ波はあるけど、落ち込む時間が短くなってきた」とお話されていました。

9〜12回目(2週間に1回ペースへ移行)
心身ともに回復の土台ができた頃から、T・Mさんは「もう少し仕事を増やしてみようかな」と前向きな気持ちを話されるように。実際に午前中だけ職場に復帰された時は、「仕事に戻れた自分にびっくりした」と、感動されたご様子でした。

その後の経過
日によっては喉の違和感や胸のザワザワが再発することもありましたが、それらの不調に対して「一時的な波」と受け止められるようになり、精神的な揺らぎも徐々に落ち着いていきました。ご本人も「不調と付き合うのが上手になった気がします」とおっしゃっていました。

現在は月に1回のメンテナンスを続けながら、気分が落ち込みそうな時期や季節の変わり目に合わせて施術を調整し、安定した日常を取り戻されています。




大丈夫と思えるようになった! 50歳女性



私は更年期の症状が重く、喉の詰まりや動悸、不安感、だるさ、眠れなさなど、いろいろな不調が一気に押し寄せてきて、心も体もボロボロの状態でした。

病院では薬を処方されましたが、できることなら薬に頼らず、自然な方法で少しずつ良くなれたらと思っていました。そんなとき、知人に「話をじっくり聞いてくれる鍼灸院があるよ」と紹介されたのが、あんどむさんでした。

初めて綿貫先生にお会いしたとき、時間をかけて話を聞いてくださり、それだけで気持ちが軽くなって涙が出ました。ここなら安心して通えるかもしれないと、初回で思えたことがすごく大きかったです。

通っているうちに、少しずつ「今日は少し動けそう」「朝が少し楽だったかも」と感じる日が増えてきました。不調がゼロになるわけではないけれど、「大丈夫」と思える自分が戻ってきたことが嬉しくて。

今は仕事にも戻ることができ、家族との時間も心から楽しめるようになりました。鍼灸は私にとって、体だけでなく心も整えてくれる大切な支えになりました。

同じように不調で苦しんでいる方がいれば、「一人じゃないよ」と伝えたいです。

※このご感想はあくまで患者様個人のご感想であり、鍼灸施術の効果を保証するものではありません。




鍼灸師より一言



T・Mさんのように、更年期の不調は一つの症状に限らず、喉の違和感、動悸、不安感、睡眠障害、消化器の不調、情緒の揺れなど、まるで「心と体がバラバラに崩れていく」ような感覚を抱える方が多くいらっしゃいます。

私自身、T・Mさんの「こんなに話を聞いてもらったのは初めてです」という言葉を、今でも鮮明に覚えています。それほどまでに、この方は長くひとりで苦しみ、頑張ってこられたのだと思います。

施術を重ねる中で、徐々にT・Mさんの表情が柔らかくなり、「少しずつ、自分の中に安心できる場所が増えてきた気がします」とお話されたとき、私の方が胸を打たれました。

体を整えるだけでなく、心を整え、そして「その人自身が、自分を大切に思えるようになること」。それが私たちの施術の大切な役割だと改めて感じました。

もし今、同じような不調に悩み、「もう元気になれないかもしれない」と思っている方がいたら、どうかひとりで抱え込まずにご相談ください。どんな状態でも、回復への糸口はきっと見つかります。

「体が軽くなると、心が前を向けるようになる。」
そう信じて、私はこれからも一人ひとりに寄り添ってまいります。

鍼灸師 綿貫雄二

所在地〒813-0013 福岡市東区香椎駅前3-5-19 諸岡ビル1F
tel092-672-3925(日曜・祝日 休 駐車場2台)

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