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「病院では異常なし。でも毎月つらい」生理前後の体調不良に悩む48歳女性への鍼灸症例

患者様のお悩み



S・Tさんは、粕屋町にお住まいの47歳女性です。長年にわたって、生理前後の体調不良や胃の不快感、頭痛、背中の痛み、そして「胸がざわざわする」といった自律神経系の症状に悩まされてきました。季節の変わり目や排卵期、生理中になると、決まって体調が崩れるという傾向があり、特に「なんとも言えない不安感」や「気持ちの落ち込み」が強く現れることに苦しんでおられました。

不調が出るたびに内科や婦人科、整形外科など複数の医療機関を受診し、検査を重ねましたが「異常なし」と言われることが多く、原因が分からないまま症状と向き合ってきたそうです。胃カメラや血液検査、漢方薬の処方も経験されましたが、根本的な改善には至らず、「このまま年齢を重ねるごとに悪化してしまうのでは」という不安を感じていました。

当院に初めて来院されたのは数年前。主訴は「不安症」と「生理前後の不調」でしたが、じっくりお話を伺う中で、「自分の身体の不調を本気で理解し、丁寧に向き合ってくれる場所を探していた」と話されていたのが印象的でした。

鍼灸に対しては「ちょっと怖いけど薬に頼りすぎるのも不安」と思っておられ、「できるだけ身体に負担のない施術を受けたい」という希望をお持ちでした。逆に「痛みを伴うような刺激の強い施術」や「押しつけがましいアドバイス」は避けたいとのことでした。

症状が落ち着いたら、「もっと普通に家族と出かけたり、趣味の料理を楽しめるようになりたい」と、日々の暮らしの質を少しでも取り戻したいという願いを語ってくださいました。




鍼灸師の見立て



S・Tさんのこれまでの経過を詳しく拝見すると、不調の背景には「自律神経の乱れ」と「ホルモンバランスのゆらぎ」が深く関係していると考えられました。特に、生理周期に合わせて現れる頭痛、胃の不快感、背中や腰の痛み、そして胸のざわつきや不安感などは、心と体のバランスが崩れているサインです。

現代医学では検査結果に異常が見られず、「異常なし」と言われることも多かったようですが、東洋医学ではこういった体の小さな変化を「気(エネルギー)・血(栄養)・水(体液)」の巡りの滞りと捉えます。S・Tさんの場合、特に「気の流れ」がスムーズでなく、それに伴って血や水の巡りも乱れやすい傾向があると感じました。

また、問診の中では「人前で話すのが苦手」「ひとりの時間がないと疲れてしまう」といった性格面も伺え、繊細な感性をお持ちであることが、自律神経の過敏さにもつながっているようでした。

施術は、身体全体のバランスを整える「全身調整」と、日によって特に不調が強い部分に対応する「局所施術」を組み合わせて行いました。初期は週1回のペースで通っていただき、体の変化を見ながら2週に1回、月1回と徐々に間隔をあけていきました。

また、お腹の冷えや疲れが見られることも多かったため、お灸による温めや、ご自宅でできるセルフケアのアドバイスも積極的に取り入れました。生活の中で取り入れられる簡単なストレッチや、食事の内容も一緒に見直すことで、より安定した体調づくりを目指しました。




施術の経過



S・Tさんは初回から、鍼灸施術をとても丁寧に受け止めてくださり、「鍼は思っていたよりも痛くなかった」と話しておられました。初診時は不安感が強く、胸がざわざわする感じや、背中・胃の不快感、首・肩・腰のこわばりがありました。

初回〜3回目までは週1回のペースで、体と心の土台を整える全身施術を中心に行いました。特に背中の緊張とお腹の冷えが強く、気の巡りと内臓の働きにアプローチする経穴(ツボ)に鍼とお灸を組み合わせました。施術後は「呼吸がしやすくなった」「夜が少し眠れるようになった」と変化を感じておられました。

4回目〜7回目は2週に1回のペース。症状の波はあるものの、「排卵期が楽だった気がする」という実感が出てきました。その日の体調に合わせて胃腸や自律神経を整えるツボにやさしくアプローチしました。

8回目以降は月1回のメンテナンス施術に移行。排卵期や生理前後に多少の不調はあるものの、「以前のように寝込むことは減った」とおっしゃっていました。季節の変わり目にも体調を崩しにくくなり、「自分で体調を管理できている感じがする」と前向きな変化が見られました。




涙が出たのはそれだけ安心したから 48歳女性 粕屋町在住



最初にこちらの鍼灸院を訪れたのは、「なんとなく体調が悪いけど、病院では異常なし」と言われ続けていた頃でした。生理前になるとソワソワして気持ちが落ち着かず、頭痛や胃の不快感、背中の痛みもあって、毎月のように不調が繰り返されていました。

綿貫先生の問診はとても丁寧で、初回は自分の症状をすべて話せたことだけでも、心が軽くなったのを覚えています。涙が出てしまったのも、それだけ安心できたからだと思います。

鍼灸は初めてでしたが、鍼がとても細くて痛みは感じず、むしろお灸のあたたかさが気持ちよくて、通うたびに体が整っていくのを実感しました。

生理周期に合わせた施術や、自宅でのお灸、食事のことなども丁寧に教えていただき、今では「またあの不調がくるかも…」という不安がぐんと減りました。

先生が「ちゃんと体が回復する力を持ってるから大丈夫」と言ってくださった言葉に、どれだけ救われたかわかりません。本当に感謝しています。

※このご感想はあくまで患者様個人のご感想であり、鍼灸施術の効果を保証するものではありません。




鍼灸師より一言



S・Tさんが初めて来院されたとき、「病院では異常なしと言われるけれど、どうしてもつらさが続いている」と、ぽつりとこぼされたのが印象的でした。心と体の境界が曖昧な不調こそ、誰かに理解されることが少なく、ご本人の苦しさは想像以上だったと思います。

東洋医学には「未病(みびょう)」という考え方があります。まだ病気とは言えないけれど、確かに不調がある。この領域こそが、私たち鍼灸師の腕の見せどころだと思っています。

S・Tさんが少しずつ笑顔を取り戻し、「また料理が楽しくなりました」とおっしゃってくださったとき、私自身も心からうれしく思いました。鍼やお灸だけでなく、「話を聴いてもらえる」「受けとめてもらえる」ことが、体と心を癒していく力になることを、改めて実感した症例でした。

もし、今このページを読まれているあなたが、「わかってもらえない不調」に悩んでいるなら、ひとりで抱えず、どうか一度お話を聴かせてください。

あなたの「大丈夫じゃない」を、大丈夫にしていくお手伝いを、丁寧に寄り添いながら続けていきます。

鍼灸師 綿貫雄二

所在地〒813-0013 福岡市東区香椎駅前3-5-19 諸岡ビル1F
tel092-672-3925(日曜・祝日 休 駐車場2台)

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