院長ブログ

BLOG

更年期の不調と嗅覚の異変に悩んだ55歳女性への鍼灸症例

患者様のお悩み


H・Uさん(55歳・宗像市在住)は、30代の頃から不安感や不眠に悩み、心療内科に通いながら日々を送ってこられました。近年では更年期による体調の変化も加わり、特に朝のだるさや肩のこわばりが強くなり、何をするにも億劫な日が増えてきたとのことでした。

さらに半年前から「匂いが感じにくい」「時折、異臭がする」といった嗅覚の異常を感じるようになり、耳鼻科も受診されたものの、特に異常は見つからず、薬を処方されて終わったとのことでした。婦人科では漢方やプラセンタを提案されましたが、効果に対する不安から迷っておられました。

日常では、朝起きると左の肩がこわばっており、簡単な家事はできるものの、料理をする気になれず、食事はお菓子などに偏りがち。気分が落ち込むと食欲がなくなり、一日中寝て過ごすこともあるそうです。また、年齢的に親の介護も視野に入り、「このままでは耐えられない」と強い不安を感じておられました。

ご本人は「閉経に伴うホルモンの変化やストレスが原因ではないか」と考えておられ、自律神経やホルモンバランスを整えながら、薬に頼りすぎない方法で元気を取り戻したいというご希望でした。




鍼灸師の見立て


H・Uさんの状態を東洋医学の観点からみると、全身のエネルギーが不足している「気虚」と、ストレスなどによって気の巡りが滞っている「気滞」が同時に起きている状態でした。さらに、下半身が冷えて上半身に熱がこもる「上熱下寒」の傾向も見られ、これは更年期に多く見られるバランスの乱れです。

だるさや冷え、嗅覚の異常、肩こり、不眠、気分の落ち込みなどは、こうしたエネルギーの不足と巡りの滞りが重なった結果と考えられました。

現代医学的にも、閉経に伴うエストロゲンの急激な減少は、自律神経の乱れや情緒の不安定さを引き起こす要因となります。

施術計画としては、まずは週に1回のペースで通っていただき、つらい症状の緩和と同時に、全身のバランスを整えることからスタートしました。少しずつ体調が安定してきたタイミングで、2週間に1回の施術に移行し、再発防止とメンテナンスを目的としたケアを行っています。




施術の経過


最初の1~3回目までは、朝の肩こりが少し軽くなったという実感がある一方で、施術翌日に軽いめまいやだるさを感じることもありました。体が整っていく過程での反応と考え、無理のない施術を続けました。

4回目以降になると、「嗅覚が日中に少し戻るときがある」「気分の落ち込みが軽くなった日があった」と、日常生活に少しずつ前向きな変化が見られるようになりました。朝の強いこわばりもやや軽減され、疲れにくさも感じるようになったとのことです。

7~10回目の施術では、「気分の波が落ち着いてきた」「料理をしようと思える日が出てきた」といった感覚の変化も出始めました。日によっては外出や家事をこなせるようになり、ご本人の表情にも少しずつ明るさが見られるようになりました。

11回目以降は、調子の良い日が増えてきたとのご報告があり、「肩こりが気にならなくなってきた」「心の波も小さくなった」と安定してきたご様子です。

現在は2~3週間に1回のペースで施術を続けており、生活の中で調子が崩れそうなときも「ここに来れば整えられる」という安心感を持っていただけています。




「不調が当たり前になっていた私に、心と体を整える居場所ができました」H・Uさん(55歳・宗像市在住)


30代の頃からずっと不安感と不眠があり、心療内科で薬をもらいながら何とか生活してきました。
50代に入ってからは更年期の影響か、毎朝のだるさや肩こりがつらくなり、ある日気づくと匂いもほとんど感じなくなっていました。
耳鼻科では特に異常はなく、婦人科では漢方とプラセンタを勧められ、薬ばかりが増えていく日々でした。

そんなときにネットで「あんどむ」さんを知り、少しでも体と心が軽くなれば…と予約しました。
最初のカウンセリングでは、時間をかけて私の話を聞いてくださり、何度も泣きそうになったのを覚えています。
「治そう」と押しつけられる感じではなく、「寄り添う」という姿勢にとても救われました。

何回か通ううちに、朝の肩の強ばりがやわらぎ、嗅覚が少し戻ってきて…。
日常の小さな変化を一緒に喜んでもらえるのも、私にとってはとても大きな支えです。
最近では、気持ちの浮き沈みも少しずつ落ち着き、気づけば「今日は料理してみようかな」と思える日も増えてきました。

ここは、私にとって「体調が崩れたらまた来ればいい」と思える安心できる居場所です。

※このご感想はあくまで患者様個人のご感想であり、鍼灸施術の効果を保証するものではありません。




鍼灸師より一言


H・Uさんが初めて来院されたときは、長年抱えてこられた不安感や更年期による不調、そして「このままずっとこの状態が続くのでは」という深いお悩みを口にされていました。

お話を伺いながら、症状の背景には身体のエネルギーの不足や巡りの滞りだけでなく、日々の生活の中で積み重なった“心の疲れ”があることを強く感じました。

東洋医学では、体と心を切り離さずにひとつのものとして捉えます。だからこそ、まずは身体の力を取り戻す施術を重ねながら、「話すこと・受けとめられること」も含めて丁寧に向き合っていくことがとても大切だと考えています。

鍼やお灸は、ほんの少し身体に触れるだけで心まで届く力があります。H・Uさんの変化がそのことを教えてくれました。日々の中で「なんとなく今日がちょっとラク」と感じられる日が増えてきたこと、私もとても嬉しく思っています。

これからも、“またここに来れば大丈夫”と思っていただける場所であり続けられるよう、心をこめて施術してまいります。

「つらさをわかってくれる人がいる。そう思えたとき、人は前に進めるのかもしれません」
鍼灸師 綿貫雄二

所在地〒813-0013 福岡市東区香椎駅前3-5-19 諸岡ビル1F
tel092-672-3925(日曜・祝日 休 駐車場2台)

infomation

お知らせ

Reception

施術時間

9:30-14:00 -
15:30-19:30 - -

※9:30~19:30(最終受付)木曜午後・日曜・祝日 休

24時間いつでもWEB予約 お問い合わせ インスタ公式アカウント

tel 092-672-3925

完全予約制