5年続く耳の詰まりとフワフワ感。お薬に頼らない毎日を取り戻した40代女性への鍼灸症例
患者様のお悩み
いつまたあのフワフワ感が襲ってくるか分からない。5年間続いた耳の違和感とめまいの不安。
春日市にお住まいのH・Yさん(48歳女性)が当院の扉を叩いたのは、今から数年前の春のことでした。
H・Yさんを長年苦しめていたのは、常に船酔いをしているような気持ち悪さと、耳が飛行機に乗ったときのように詰まった感じ(耳閉感)でした。
始まりは5年ほど前。職場の大きな換気扇の音やストレスが重なり、突然耳の聞こえが悪くなったことでした。すぐに耳鼻科を受診し、処置を受けて聴力はある程度戻ったものの、それ以来、耳が詰まる感じやフワフワとしためまいが残ってしまったといいます。
耳鼻科の先生からは、もう耳自体には異常はないから、自律神経の問題だねと言われ、心療内科を紹介されました。それから数年間、不安を和らげるお薬や漢方薬を飲み続けてきました。
薬を飲んでいる間は症状が落ち着くこともありましたが、仕事が忙しくなったり、人間関係でストレスを感じたりすると、すぐに症状がぶり返してしまいます。
調子が良い時でも、また明日元気に過ごせるだろうかという不安が常にありました。特に夜になると不安が強くなり、動悸がしたり、色々なことを考えて眠れなくなったり。自分が自分じゃないような感覚に陥ることもありました。
来院の数日前、再び強い吐き気を伴うめまいが起こりました。病院ではお薬で様子を見ましょうと言われましたが、H・Yさんの心は限界でした。
このまま薬を飲み続けていて本当に良くなるのだろうか?いつまでこの状態が続くのだろう?
金銭的な不安もあり、長期の通院は難しいかもしれないという葛藤を抱えながらも、とにかく一度、専門家の意見を聞いてみたい。日常を取り戻すために、どのくらいの期間がかかるのか知りたいと、藁にもすがる思いで当院にご相談をいただきました。
H・Yさんの願いは切実でした。
めまいや耳の不快感に怯えることなく、普通の生活を送りたい。仕事を続けながら、穏やかな毎日を取り戻したい。そんな強い思いを持っての来院でした。
鍼灸師の見立て
頭はのぼせ、足元は冷えているアンバランスな状態を整えていく。
H・Yさんのお話をじっくり伺い、お体を丁寧に拝見したところ、一つの大きな原因が見えてきました。それは、東洋医学でいう上熱下寒(じょうねつげかん)という状態です。
簡単に言うと、体の中の熱のバランスが崩れ、頭のほうに熱が渋滞し、足元が冷え切っているという状態です。
H・Yさんは、職場の人間関係やご家庭のことなど、長年、周囲の方に細やかに気を遣って過ごされてきました。その神経の使いすぎによって、体温や血の巡りをコントロールする自律神経が常にオンのままになり、熱が頭に昇りやすくなっていたのです。
頭に熱がこもると、耳の奥の水分バランスが崩れたり、神経が過敏になったりします。これが、H・Yさんを苦しめていた耳の詰まりやフワフワ感の正体だと考えられました。
一方で、お腹や足元には元気が足りず、冷えが強く出ていました。エンジンの熱が上がりすぎているのに、冷却水が足りない車のような状態です。
これからの施術計画
H・Yさんは、一度でどのくらい結果が出ますか?と不安を口にされていました。もちろん、一回の施術で体が軽くなる変化は感じていただけます。しかし、5年という長い期間、お薬で抑えてきた症状です。表面的な不調だけを取り除いても、根本的な熱の渋滞が解消されなければ、またすぐにぶり返してしまいます。
そこで、以下のような計画をご提案しました。
1. 最初の1ヶ月(週1回ペース)
まずは、頭にのぼった熱を足元へ引き下げ、自律神経の乱れを落ち着かせます。これで、まずは今あるつらさを楽にしていきます。
2. 2ヶ月目以降(2週間に1回から月1回)
体が自分で自分を整える力を高め、ストレスを受けても耳の不調が出にくい、再発しにくい体づくりを目指します。
焦らずに、一歩ずつ元気だった頃の体に戻していきましょうとお伝えしたところ、H・Yさんは少し安心した表情を見せてくださいました。
施術の経過
体調の波を乗り越えながら、自分を取り戻していく道のり。
H・Yさんの歩みは、決して一直線ではありませんでした。しかし、施術を重ねるごとに、確実に不調からの回復力がついていきました。
施術開始から1ヶ月。光が見え始めた時期。
最初の施術から4日ほど、体がとても軽い!と実感されました。その後、お仕事の疲れでだるさが出る日もありましたが、1ヶ月が経つ頃には心が落ち込まなくなってきたと笑顔が見られるようになりました。あんなに不安だった毎日の中に、穏やかな時間が戻り始めました。
数ヶ月後から1年。大きな環境の変化の中で。
この期間、H・Yさんの人生には大きな変化がありました。職場の人間関係での悩み、そして離婚という大きな決断。普通なら体調を大きく崩して寝込んでしまってもおかしくない状況です。
確かに、強いストレスがかかると耳の詰まりやフワフワ感が一時的にぶり返すこともありました。しかし、以前と違うのは、ここに来れば大丈夫という安心感を持っていただけたことです。
現在。不調とうまく付き合い、前向きに過ごす。
現在は、新しいお仕事にやりがいを感じながら、お忙しく過ごされています。
仕事が忙しくなりそうだから、ひどくなる前に整えに来ました。
少し耳が詰まってきたけれど、早めに施術を受ければすぐ良くなると分かっているので怖くないです。
今では、自分の体のサインを早めにキャッチし、ひどくなる前にメンテナンスを行うスタイルが定着しています。
5年前の、薬を手放せず、いつ襲ってくるか分からないめまいに怯えていた日々とは違い、今は自分の足でしっかりと立ち、人生を楽しまれています。
もっと早く相談すればよかった。不安だった私を救ってくれた場所。
5年ほど前から、耳が詰まったような不快感とフワフワしためまいに悩まされてきました。病院を転々とし、心療内科でお薬をもらって飲んでいましたが、結局は症状を繰り返す日々。このまま一生、お薬を手放せないのではないかと、毎日が不安でたまりませんでした。
あんどむさんを知ったときも、実は本当に良くなるのかな?お金もかかるし、続けられるかな?と、ギリギリまで悩んでいました。でも、勇気を出して行ってみて本当に良かったです。
綿貫先生は、私の話を否定することなく、最後までじっくりと聴いてくださいました。私の体の状態をのぼせと冷えに例えて説明してくださったときは、だから今まで辛かったんだ!と、パズルが解けたように納得できました。
通い始めてからは、あんなに怖かっためまいや耳の不調が、徐々に気にならなくなっていきました。人生の大きな転機が重なり、心身ともにボロボロになりそうな時もありましたが、先生がいつも温かく迎えてくださったおかげで、乗り越えることができました。
今では、お薬に頼り切るのではなく、少し調子が悪いなと思ったら先生に相談するという、自分なりの安心できる場所ができました。もし、私と同じように一人で不安を抱えている方がいたら、ぜひ一度先生に頼ってみてほしいです。
春日市 H・Y様 48歳女性
※このご感想はあくまで患者様個人のご感想であり、鍼灸の施術効果を保証するものではありません。
鍼灸師より一言
H・Yさん、これまで本当によく頑張ってこられましたね。
初めてお会いした時、不安そうな表情の中で明日元気に過ごせるだろうかとお話しくださったことが今も心に残っています。職場の環境やご家庭のこと、いつも周りの方を優先して、ご自身の心の声を少しずつ後回しにしてこられた結果、お体がもう休んで!とサインを出していたのだと思います。
当院は、単に症状を追いかけるだけの場所ではありません。あなたが抱えている不安や、誰にも言えなかった涙をそのまま受け止める場所でありたいと思っています。H・Yさんが、ご自身の体のサインに気づき、不調を乗り越えて新しい人生へと踏み出された姿は、私にとっても大きな励みとなりました。
心から笑える、あの頃のあなたを一緒に取り戻しましょう。
もし今、あなたが当時のH・Yさんのように出口の見えない不安の中にいるのなら、一度その荷物をおろしにいらしてください。私はいつでも、ここであなたの声を聴く準備ができています。
鍼灸師・綿貫雄二