こんにちは、鍼灸院あんどむの綿貫です。当院で鍼灸施術を受けられてお悩みを解消された方をご紹介する症例ブログ、今回はめまいと胃のむかつきと食欲不振が長期化し様々な不調が現れてきてしまった方です。


■ ご来院された方：福岡市在住・48歳・女性・会社員

■お悩み：胃のむかつき、食欲不振、めまい、ふらつき、頭痛、だるさ、不安感

2019年7月中旬、急に左耳のつまった感じや音が響いて聞こえるようになったため耳鼻科で検査を受ける。先生より、突発性難聴と言われ薬を服用されると、左耳のつまった感じや音の響くは治まっていったが、その頃よりめまいやふらつきが現れ始める。

めまいやふらつきは、起床時にふらっとしたり、歩行時にふわふわと雲の上を歩いているような感覚がある。

ふらつくことで胸元から胃周辺にかけてのむかつき、気持ち悪さを覚えるようになり、次第に食欲も低下していった。

身体の不調が続き気分も落ち込んでいき、大好きだった週末の街歩きやショッピングにも行く気になれず、「なにか大きな病気では？このままもっと悪くなってしまうのでは?」と不安感が募っている。






初回来院時のカウンセリングでお聞きした主なお悩みは、

☑ こんなに体調が悪いのに、病院では異常なしと言われ原因が分からないことが不安

☑ 体重がどんどん落ちて行っていることがとても心配

☑ 早く元気になって仕事や買い物に行けるようになりたい。






☑ 手先と足先がとても冷たい反面、頭部は赤く熱がこもっている。

手足や足先のみの冷えは自律神経の乱れや緊張感、不安感の増強から悪化することがあります。その反面身体の熱が頭部へ上がってしまい気血の巡りを阻害していると考えます。

☑ みぞおちから胃にかけて落とし穴のようにへこんでおり、胃腸がかなり弱っていることが推測される。

☑ 背中の左側と右側の皮膚がデコボコと波打っており、また、汗をかいているところとカサカサと乾いているところがまだらに点在し、自律神経の乱れが疑われる。

☑ 身体全体的にむくみを感じ、水分代謝の悪さが疑われる。

東洋医学では「水」の巡りが悪くなると、身体がだるくなる（倦怠感）、耳鳴りやめまいなど耳の症状が現れやすい状態であるとみます。






■ 1回目

患者様の訴えや現在の身体の状態から、①自律神経の調節、②水分代謝の促進、③胃腸の働きを高める、以上の３つを目的として鍼灸施術を進める。

鍼をしていく場所は、手首や足首のツボ、背中やお腹のツボです。鍼は刺さったままにはせずに、1本30秒から60秒ほどかけてゆっくりゆっくり丁寧に施術を行う。

施術後の様子を伺うと、「手足がポカポカと温かく、頭がスッキリしています！」とのご感想をいただく。



■ 2回目～4回目

週に1回のペースで1か月ほど施術を行う。

1回目の時の食事量は（元気な時を10とすると）１～２。1か月後には食事量８～９となり、食後の胃のむかつきもほとんど消失していた。

これにはご本人の頑張りも大いにある。体調を崩す前までは長らく朝食を取っておられなかったが、自律神経を整えるには規則的な生活が大事であると知り、3食を定時に取るようにされた。



■5回目～10回目

食事と睡眠は体を作る基礎であることが良くわかる。食事量がもどってこられると、めまいやふらつき、頭痛の頻度が劇的に減り、ほぼ日常生活に支障がない程度にまで落ち着く。



■ 11回目～20回目

2か月ぶりに耳鼻科に行かれ、先生より眼振（目のふるえ）がないこと、ご本人が症状を感じていないことから薬の処方が終了となる。

鍼灸施術は、今後のぶり返しを予防する観点から2週に1回のペースで継続することにした。



■ 21回目～

途中、体調によってはめまいや立ちくらみなどを訴えるときもあったが、程度や頻度は激減した。この頃より２～４週に1回の鍼灸施術へと移行していき、現在も経過観察中。






鍼灸院にはこの方のように、病院で「異常なし」「原因不明」と言われ、ひとときはほっとするものの「ではなぜ?この不調。」とご不安が募っておられる方が多くお越しになられます。

今回の症例では、東洋医学的な視点から①自律神経の調節、②水分代謝の促進、③胃腸の働きを高める、を目的に鍼灸施術をし、病院では「原因不明」だった不調に対して著効を奏した症例です。

西洋医学も東洋医学もそれぞれにその良さがあります。もしあなたが何らかの不調でお困りの際には、あきらめずに色々な選択肢を試してみてください。不調を解消してくれる方法が見つかるかもしれません。

もっと詳しくお知りになりたい方は、めまいと鍼灸施術について書いたページをご覧ください。

鍼灸師　綿貫雄二

※この症例は鍼灸治療が功を奏した一症例であり、その効果や結果を保証するものではありません。