院長ブログ

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生理前のイライラや情緒不安定、頭痛・便秘に対する鍼灸症例

こんにちは。鍼灸師の綿貫雄二です。

今回はPMS(生理前症候群)でお困りの29歳女性への鍼灸治療です。


患者様のお悩み



私は29歳の女性です。PMS(月経前症候群)がひどく、特に生理前のイライラ、情緒不安定、腹痛、便秘、頭痛に長年悩まされています。症状が出始めたのは5年前くらいからですが、最近は特にひどくなってきたと感じています。

生理の1週間前になると、ちょっとしたことでイライラしてしまい、家族やパートナーに八つ当たりしてしまうことが多くなります。普段なら気にならないことでもすごく気になってしまい、後から「なんであんなに怒ってしまったんだろう」と自己嫌悪に陥ることもあります。感情のコントロールができないのがとても辛いです。

また、生理前になるとお腹が張って痛みがあり、ひどい時は仕事に集中できなくなることもあります。便秘も続き、さらに体が重く感じます。頭痛も加わるので、何をするにも気力がなくなってしまいます。「またこの時期がきたか…」と思うと憂鬱で、月の半分くらいは不調を感じながら過ごしています。

今までに婦人科を受診し、ホルモンバランスを整えるために低用量ピルを勧められたことがありますが、副作用が怖くて続けられませんでした。漢方も試しましたが、思ったような効果を感じられず、結局症状が改善することはありませんでした。マッサージや整体にも通いましたが、その時は少し楽になるものの、根本的には変わらないままでした。

私が望んでいるのは、できるだけ自然な方法でPMSの症状を和らげることです。薬に頼らず、体質から改善できるような施術が理想です。鍼灸は初めてですが、痛い施術は苦手なので、優しい施術で無理なく改善していけたら嬉しいです。

もしPMSの症状が軽くなれば、もっと穏やかな気持ちで家族やパートナーと接することができると思います。仕事にも集中できるようになり、今まで以上に自分に自信を持てるようになるはずです。何より、生理が近づくたびに憂鬱になるのではなく、毎日を気持ちよく過ごせるようになりたいです。


鍼灸師の見たて



PMS(月経前症候群)は、東洋医学では主に「肝」「脾」「腎」の機能の乱れと関係が深いと考えられます。今回の患者様の症状を詳しく見ていくと、「生理前のイライラ」「情緒不安定」「頭痛」「腹痛」「便秘」といった症状があることから、 「肝気鬱滞(かんきうったい)」と「気滞血瘀(きたいけつお)」の状態が強いと考えられます。

東洋医学的な見たて


1. 肝気鬱滞(かんきうったい)
– 東洋医学において「肝」は気(エネルギー)の流れを調節し、感情の安定を司る臓です。ストレスが溜まると、肝の働きが滞りやすくなります。
– 肝気がうまく流れないことで、イライラや情緒不安定が強くなります。
– また、肝と関係の深い「血」の流れも悪くなり、生理前の腹痛や頭痛を引き起こします。

2. 気滞血瘀(きたいけつお)
– 気の流れが滞ることで、血流の悪化も生じます。これが「血瘀(けつお)」の状態につながり、生理痛や頭痛、便秘を引き起こす要因となります。
– 便秘が続くのは、気の流れが滞って腸の働きが鈍っているためと考えられます。

3. 脾虚(ひきょ)と腎虚(じんきょ)
– 体が疲れやすく、消化機能が落ちている可能性もあります。
– PMSが長年続いていることで、腎のエネルギー(腎精)が不足し、ホルモンバランスが不安定になっている可能性も。

現代医学的な視点


– PMSは女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の急激な変化が影響して、自律神経が乱れることで引き起こされます。
– ストレスが加わると交感神経が過剰に働き、血流が滞り、頭痛や腹痛、便秘を悪化させます。
– ホルモンの変動によってセロトニン(幸せホルモン)の分泌が低下し、情緒不安定になりやすくなります。

施術計画


①施術頻度と期間
– 初めの1ヶ月は週1回の施術を目安に実施。PMSの症状はホルモンバランスの影響が大きいため、 **最低でも3ヶ月(約3回の生理周期)継続** することを推奨。
– 症状の改善が見られたら施術間隔を2週間に1回へと調整。

②施術の目的と方針
– 肝気の流れをスムーズにして、イライラや情緒不安定を軽減する。
– 自律神経を整えてホルモンバランスを安定させる。
– 血流を促し、腹痛や便秘の改善を目指す。

③具体的な施術内容
– 肝の気を巡らせるツボ(太衝、合谷)
– 自律神経を整えるツボ(百会、内関、神門)
– 血流を改善するツボ(三陰交、血海)
– お灸で身体を温め、冷えや血の滞りを解消


施術の経過



初回の施術


初めての鍼灸ということで、患者様は少し緊張されていました。そのため、施術前にじっくりとカウンセリングを行い、不安や疑問を解消してから施術に入りました。

まず、脈診や腹診を行い、気の流れや血の巡りを確認しました。やはり「肝気鬱滞(かんきうったい)」と「気滞血瘀(きたいけつお)」の状態が強く、ストレスや自律神経の乱れがPMSの症状を悪化させていることが分かりました。

初回の施術では、自律神経を整えるツボ(百会、内関、神門)を中心にアプローチし、リラックスしてもらうことを目的としました。また、 **肝の気を巡らせるツボ(太衝、合谷)** にも鍼を行い、滞った気の流れをスムーズにすることを目指しました。

施術後の変化:
– 施術後すぐに「身体がポカポカしてきた」とのこと。
– 気持ちがリラックスし、いつもより深く呼吸ができる感じがした。
– 便秘についてはまだ変化は感じない。

2回目~4回目(1ヶ月目)


施術を重ねることで、徐々に変化が現れ始めました。特に **自律神経を整える施術** を継続することで、精神的な不安定さが軽減されてきました。

施術3回目の後の変化:
– 「生理前のイライラが少しマシになった気がする」とのこと。
– 頭痛の頻度が少し減ってきた。
– 便秘はまだ続いているが、お腹の張りは以前より軽減。

施術方針の変更点:
– 便秘対策として腸の働きを促すツボ(天枢、大巨)への施術を追加。
– お灸を組み合わせ、腹部の冷えを解消し、血流を促進。

5回目~8回目(2ヶ月目)


この頃になると、患者様自身も変化を実感するようになりました。

施術6回目の後の変化:
– 便秘が改善し、お通じの回数が増えた。
– 生理前のイライラがさらに軽減し、パートナーとの衝突が減った。
– 頭痛が出る回数が大幅に減少。

患者様も「以前は生理前になると憂鬱だったけれど、今回はそこまで辛くなかった」と話しており、 **ホルモンバランスと自律神経が安定してきている** ことが伺えました。

9回目~12回目(3ヶ月目)


施術を始めて約3ヶ月が経過し、PMSの症状はかなり安定してきました。

施術10回目の後の変化:
– 生理前の情緒不安定がほとんどなくなった。
– 便秘もほぼ解消し、お腹の張りを感じることが少なくなった。
– 生理前の頭痛はほぼ消失。

患者様自身も「今までは生理が近づくとすごく憂鬱だったのに、今回はあまり気にせず過ごせました!」と喜ばれていました。PMSの症状は個人差があり、完全にゼロにすることは難しいですが、 **日常生活に支障が出ないレベルまで改善** し、患者様の表情も明るくなっていました。


患者様の声



私は29歳の女性です。PMS(月経前症候群)に長年悩んでいました。特に **生理前のイライラや情緒不安定がひどく、家族やパートナーとの関係にも影響** するほどでした。ちょっとしたことで感情が爆発し、自分でもコントロールできなくなってしまうのがすごく辛かったです。

また、生理前の腹痛や便秘、頭痛もあり、毎月その期間がくるたびに「またか…」と憂鬱な気持ちになっていました。病院でピルを勧められたこともありますが、副作用が怖くて続けられず、漢方や整体なども試しましたが、あまり効果を感じられませんでした。そんな時に「鍼灸がPMSに良いかもしれない」と聞き、こちらの鍼灸院に通うことを決めました。

初めての施術の時は少し緊張しましたが、先生がじっくり話を聞いてくれて、不安をしっかり受け止めてくれたのがとても安心できました。鍼もほとんど痛みを感じず、リラックスして施術を受けることができました。

通い始めて2~3回目くらいから、少しずつ気持ちが落ち着く感覚がありました。以前は生理前になるとちょっとしたことでカッとなっていたのが、「まあいいか」と思えることが増えた気がします。頭痛の頻度も減り、お腹の張りも少し楽になってきました。

そして、3ヶ月ほど続けた頃には、生理前の不調がかなり軽減されました!以前はイライラして自分が嫌になることが多かったのですが、「あれ?今回の生理前はそんなに辛くない?」と気づいた時、本当に嬉しかったです。便秘もほぼ解消され、お腹の張りも感じなくなりました。

今は、毎月の生理が来ることが怖くなくなりました。このまま続けていけば、もっと快適に過ごせるようになると思います。同じようにPMSで悩んでいる方には、ぜひ一度試してみてほしいです。

※このご感想はあくまで患者様個人のご感想であり、鍼灸施術の効果を保証するものではありません。


鍼灸師より一言



PMSの症状に悩まれていたこの患者様は、毎月の生理前が本当に辛かったと思います。「またこの時期が来る…」という憂鬱な気持ちが続くのは、本当にしんどいことです。それでも「少しでも楽になりたい」という思いで施術を受け続け、3ヶ月かけて大きな変化を感じていただけたこと、私も本当に嬉しく思います。

PMSの症状は、ただ我慢するものではなく、改善のためにできることがあります。生理前の不調は仕方ないものと諦めずに、体質を根本から整えることで楽になる道があることを、もっと多くの方に知ってほしいです。

私たちの鍼灸院では、ただ施術をするだけでなく、患者様一人ひとりの心と体にしっかり向き合い、寄り添いながら改善を目指すことを大切にしています。PMSのようなホルモンバランスの乱れによる症状は、 **自律神経を整えることで少しずつ安定していきます。** 実際、この患者様も「いつの間にか不調を意識しなくなっていた」とおっしゃっていました。

「毎月の生理前が怖い」「どうせ改善しない」と思っている方へ。生理前の不調に振り回されず、毎日を気持ちよく過ごせる体を一緒に作りましょう!まずは一度、あなたのお話を聞かせてください。

鍼灸師 綿貫雄二

所在地〒813-0013 福岡市東区香椎駅前3-5-19 諸岡ビル1F
tel092-672-3925(日曜・祝日 休 駐車場2台)

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